入院したのは夜の22時過ぎでした。その後、簡単な検査と入院の説明があり、詳細な説明は家族が対応してくれました。家族との面会を済ませて、少し落ち着いたのは夜中の0時頃でした。
初めての環境で、熟睡するのはやはり難しく、少し寝ては目が覚めるのを繰り返していました。私はもともと枕が変わると眠れないタイプなので、仕方がないですね。
入院したのは、SCU(脳卒中ケアユニット)という、発症後まもなく状態が安定しない患者が入る病棟でした。スタッフの方々も忙しく動き回っているため、静かに落ち着いて寝る環境とは言えず、眠れなくても仕方ない状況でした。
初めて経験する日常生活の制限
普段なら、自分で起きてトイレに行き、歯を磨き、ご飯を食べるのは当たり前のことです。しかし、入院初日から、普段の生活が大きく制限されました。
僕の場合、頭痛以外に特に手足の麻痺もなく、普通に動けていたのですが、血管の状態が不安定で、いつ何が起こるかわからないため、動く範囲が制限されました。
トイレに行く際は看護師さんを呼び、車いすで移動することに。歯磨きや洗面といった日常のケアも「今はできません」と言われてしまいました。
看護師さんは笑顔で「いつでも呼んでくださいね」と優しく言ってくれますが、トイレに行くたびに呼ぶのは、どうしても申し訳ない気持ちになります。仕事柄、看護師さんの忙しさを知っているため、ナースコールを押すのを遠慮してしまい、限界まで我慢してから呼ぶこともしばしばでした。忙しそうでないタイミングを見計らって呼ぶこともありましたね。
さらに、トイレではドアを開けっぱなしにして、カーテンで仕切られるだけなので、全く落ち着きません。小はまだいいのですが、大は気を使ってしまいます。音や臭いが気になって、自由気ままに排泄することがちょっと難しいですよね。
普段、僕は医療関係の仕事をしていて、患者さんには「何でも遠慮なく伝えてくださいね」とお話ししています。でも、実際に自分が患者になると、なかなかそう簡単にはいかないものだと感じました。今回の入院で、患者さんの気持ちを改めて実感する貴重な経験ができました。
昼間はベッドから離れることができず、ずっとベッドの上で過ごしていました。幸い、座っていることは許可されていたので、時々姿勢を変えながら気分転換をしていましたが、それでもほとんどの時間、天井や部屋の中をぼんやり眺めるだけです。本当にしんどかったです。日常生活が制限されるというのが、これほど辛いものだとは思いませんでした。
朝ごはんを食べては寝る、昼ごはんを食べては寝る、という単調な繰り返し。楽そうに見えるかもしれませんが、実際は全然楽じゃないんです。むしろ苦痛でした。唯一の救いは、通話はできなくてもスマホをいじることができたことです。でも、よく考えてみると、スマホを使えるくらいの症状で済んでいることに感謝しないといけないですね。
考え方を変えると、何もしなくていい時間なんて普段はほとんどありません。だからこそ、この入院生活は、自分と向き合う貴重な時間だったのかもしれません。そう考えると、これはこれでいい経験だったのかな、と思えるようになりました。
初めての病院食。噂通り不味いのか…。
病院で働いているけれど、これまで病院食を食べたことはありませんでした。職場では職員用の食事を食たことはありますが、それは普通に味がついていて、美味しいんです。だから、患者として食べる病院食は今回が初めてでした。
残念ながら、写真を撮るのは禁止なので、記録には残せませんが、出てきたメニューは、普通のごはん、お茶、ふりかけ、煮野菜が2種類と牛乳。味はやはり薄く、想像通りでした。正直、ごはんのおかずにはちょっと厳しい感じです。仕方なくふりかけでご飯を頑張って食べて、野菜もなんとか完食しましたが、普段好きなものを食べていると、この食事はなかなか辛いものがありました。
「これが続くのか…」と思うと、少しテンションが下がってしまいますね。
初めての造影カテーテル検査
入院したのが土曜日でその後も日曜日・月曜日と連休だったので入院時に細かい検査ができるのは平日になりますと言われていましたが、脳の血管、内頚動脈が解離しているの状態がどのような状態になっているか早期に確認しておいたほうがいいということで、入院翌日に急遽造影のカテーテル検査が決まりました。
内頚動脈が解離した状態になると血管が細くなり脳梗塞になる可能性やまた血管の外側の膜が破れて脳出血を起こす可能性があるので、今症状がなくても将来どうなるかわからないので怖いのです。だから早期で血管の状態を確認しておいたほうがいいということになります。
でも初めてのカテーテル検査…めちゃくちゃ怖い。
カテーテル検査は侵襲が少なくて安全と言われていますが、100%大丈夫というわけではなく、カテーテルの先が血管を傷つけて違う場所が解離する可能性があるし、血管にコレステロールなどが溜まっていて、カテーテルの先がそこを通ったときに刺激をして一部が剥離それが脳梗塞などの原因になる場合があります。
また造影剤も副作用がありアレルギー症状が出たり、めまいや吐き気、嘔吐などの症状があるかもしれないとのことでした。また腎臓の機能が悪い人は腎臓に負担をかけて腎臓の機能を悪化させる可能性もあるということ。造影カテーテル検査をする先生が丁寧に説明したうえで同意書にサインをすることになります。
怖ければ同意書にサインをする必要はないのですが、検査をしないのだったら何のために入院してるわからないし同意をします。これで造影カテーテル検査をすることが決定です。
ただ日曜日で医師の数が少ないことと救急の対応などがあるためいつ検査できるかわからないということで、検査するときは突然呼ぶと思うのでよろしくお願いしますと言われます。
15時30分ぐらいに検査に呼ばれ準備をして車椅子で検査室に連れていかれます。検査にあたっても準備されることが多数あり。カテーテルを挿入する場所によって違うのですが僕の場合は足の根元の血管からカテーテルを入れての検査だったので、検査後止血のためにしばらく足が動かせなくなります。
足を曲げることが許されなくなってしまうので、トイレに行くことができなくなります。そのために…。
- オムツを装着
- コンドーム型カテーテルを装着(途中で排尿したくなったときの対策)
- カテーテル刺入部周辺の剃毛
どれも初めての体験だったのでめっちゃいやでした。ただ尿のカテーテルが膀胱に挿入するタイプのやつだとめちゃくちゃ痛いから嫌だったのですが、コンドーム型のカテーテルで自分で装着することができたのでよかったです。
剃毛は看護師さんにやってもらうことになります。恥ずかしいのですが…と思いつつももう剃ってもらうときは何も思わなくなっていました。看護師さんは淡々と剃ってくれます。でも、普段人に見られたくないことを見られる苦痛とか自由にトイレに行けなくなるとか患者さんにならないとわからないことはたくさんありました。そしてオムツを装着して車椅子に乗って検査室へ。
カテーテル検査の続きは次のブログにて…