前回の記事では、パナソニックの「Factory Refresh品」でS9をお得に入手した話をお伝えしました。今回は「その先」の話です。S5IIという頼れるメイン機があるのに、なぜあえてS9を導入しようと思ったのか——その理由と、実際に使ってみてからの正直な感想をお話しします。
普段は趣味でVlogや旅の動画を制作しているのですが、S9というカメラはそうした活動の中で非常にユニークな立ち位置にいます。「S5IIがあれば十分だし、S9を買っても使い所ないんじゃないか」と思っていた時期もありました。その予想は、良い意味で裏切られることになりましたが。
僕がLUMIX S9を選んだ3つの大きな理由
数あるミラーレスカメラの中でS9を選んだ理由は、画質へのこだわりと物理的なサイズ感の、絶妙なバランスにありました。
① S5IIと全く同じ「画」が撮れる安心感
最大の決め手は、メイン機のS5IIとセンサーおよび画像処理エンジンが共通していることです。
V-Logでのログ撮影も、独自のカラーサイエンスも一致しているので、編集時に「メイン機とサブ機の色合わせ」で頭を抱えなくて済みます。複数台で撮った素材を一本の動画にまとめる作業において、色味が揃っているかどうかは編集のストレスに直結するので、これは地味ながら何物にも代えがたいメリットです。
それに加えて、単純にLUMIXの絵作りがめちゃくちゃ好きなんです。以前はAPS-Cのソニー機やキヤノン機も使っていましたが、LUMIXの色と質感が、自分の感覚には一番しっくりきています。
② 28-200mmという「魔法のレンズ」の存在
今回セットで手に入れた「LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.」への期待も、購入の大きな動機でした。
全長約93.4mm、重さ約413g。フルサイズ用の高倍率ズームとしては、正直「本当にこのサイズで大丈夫か」と思うくらいのコンパクトさです。それでいて広角28mmから望遠200mmまでを一本でカバーするので、散歩から旅先まで、これ一本で完結してしまいます。
S9に装着するとフロントヘビーになるのは確かです。ただ、「フルサイズなのに全長10cmを切るボディで200mmまでこなせる」という体験は、Lマウントシステムとこのボディサイズだからこそ成立する、ちょっとした特権だと感じます。
③ フルサイズをこのサイズと価格で持ち出せること
最後は、カメラとしての「パッケージ全体」の話です。
同じくらいのサイズ感のカメラは他にもありますが、S9はS5IIと同じフルサイズセンサーを積んでいます。おかげで夜間撮影やボケ表現において、センサーサイズで妥協する必要がありません。そしてS5IIでは少し躊躇する小さなバッグにも、すんなり収まるサイズ感。これだけで、カメラを持ち出す頻度は確実に変わります。
さらに今回はFactory Refresh品という選択肢があったことで、「この性能がこの価格なら」という最後のひと押しになりました。新品では少し腰が引けていた自分に、背中を押してくれた部分は正直大きかったです。
実際にLUMIX S9を使って分かったメリット・デメリット
よかったこと
持ち出しやすさは、想像していた以上でした。このサイズだからこそ「とりあえず持っていこう」と思える気軽さがあって、特別な理由がなくてもバッグに入れておける安心感があります。
手ブレ補正も優秀で、歩き撮りやとっさのスナップでもしっかり止まります。また単焦点レンズを付けているときでもクロップを活かしてズーミングできるハイブリッドズームは、動画撮影での自由度を広げてくれます。
割り切りが必要なこと
EVF(ファインダー)がない点は気になる人もいるかとおもいます。背面モニターは輝度を上げれば日差しの強い屋外でも十分見えますが、ファインダーを覗いて撮るという体験そのものができないのは、スチル撮影を大切にしている人には向き不向きが出るかもしれません。動画メインの僕としてはそれほど気になりませんでしたが。
またメカシャッターがないことも同様で、シャッターを切ったときの物理的な振動や音がないため、「撮った感」はS5IIに比べると薄めです。
長時間の連続動画撮影については、熱停止への配慮からS5IIに任せるのが今の運用です。ここはS9の用途を「軽快に持ち出す一台」と割り切ることで、不満には感じていません。
予想を裏切る「持ち出しやすさ」と2台体制のリアル
購入前は「結局S5IIがあれば十分で、あまり出番がないんじゃないか」という不安が正直ありました。でも実際に運用してみると、その考えは一変しました。
フラットでコンパクトなボディが生み出す持ち出しやすさは、想像を遥かに超えていました。今の僕の2台体制はこうなっています。
LUMIX S5II ——長時間の動画撮影や、メカシャッターの感触を楽しみながら「確実に残したい」写真を撮るときの信頼機。
LUMIX S9 ——「とりあえず」で持ち出せる、軽快なフットワークの相棒。
これまではS5IIが不動のメイン機でしたが、S9の気軽さを知ってしまうと、今やS5IIを差し置いてメインになりそうな勢いすら感じています。何より、これまで撮り逃していた何気ない日常の瞬間が、格段に増えました。それだけでも、導入した甲斐がありました。で、これまでは撮り逃していた何気ない瞬間の記録が、格段に増えました。
まとめ:S9は「撮影の基準」を変えてくれるカメラ
S9は、すべてをこなせる万能なカメラではないかもしれません。でも、S5IIユーザーの僕にとっては、単なる「サブ機」の枠を超え、日常における撮影の基準をアップデートしてくれる相棒になりました。
「今日はカメラを持っていくか迷うな」という時、迷わずバッグに放り込めるフルサイズ機。それこそが、僕がLUMIX S9を選んだ最大の正解であり、今では生活に欠かせないメインの一台へと近づいています。

